作業日:2019年6月
先日、クレーンの走行用の巻線モーターを点検したところ、モーター内部が、削れたカーボンブラシの粉で真っ黒になっていました。(写真参照)
巻線モーター(巻線形三相誘導電動機)は、回転子側(二次側)も巻線になっており、スリップリングを通じて外部の二次抵抗と通電する仕組みになっています。
(モーター起動時は、この二次抵抗を順次短絡することによって、起動電流を適度に制御し、起動時のショックを抑えながら円滑にモーターを起動します。)
カーボンブラシとの接触により、スリップリングに通電するのですが、その隙間にカーボンの粉が入り込みますと、スリップリングの表面に傷が付き、アークが発生しやすくなります。また、発生したアークによって、更なるスリップリング、カーボンブラシ損傷という悪循環になり、結果モーターの寿命低下を招きます。
よって、内部をブロワー等を使用して、スリップリングとカーボンブラシが接触面を綺麗にし、円滑な接触がなされる様にする必要がありますので、巻線モーターを使用の際は、定期的な点検とメンテナンスをお願いします。